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イギリスのイースター習慣とは?

以前、このブログにイギリスのクリスマス習慣について書きましたが、今回はクリスマスの後イギリスで2番目に大事な祝日、イースターについて書きます。まず、イースターの由来についてお話しします。

 

クリスマスと同じように、イースターの祭りはキリスト教から来ており、キリスト教で最も大切な人はイエス・キリストです。イースターと呼ばれる復活祭が祝われる理由は、イエス・キリストの死去や復活です。キリスト教の信仰者にとってイエス・キリストは神様の息子です。最近、イギリスではクリスチャンの人が減少して、50%以下になりましたが、イースターのお祝いは伝統的な習慣になっており、信者以外の人も祝っていると思います。でも、クリスマスと比べると、イースターを祝う人は少ないです。クリスチャンの人は、クリスマスとイースターに、教会で礼拝をして、主教・司教等の話を聞いて、バイブルを読むといった習慣があります。

 

カトリック教会、聖公会、プロテスタント教会といった西のキリスト教の宗派にとって、イースターは固定された日ではなく、満月に基づいて毎年決められます。3月下旬から4月下旬の間が多いです。少しわかりにくいですが、イギリスのイースターは、北半球の春分の日から最初の満月の後の日曜日になります。今年の春分は3月 20日で、満月が3月25日なので、イギリスではイースターは3月31日になります。去年は、4月9日でした。

また、正教会(東のキリスト教)ではイースターの日付が違います。今年は5月5日です。今年は、両者の日付が離れていますね!理由は、日付を決める際に、異なるカレンダーを使っているからです。東の教会では、ユダヤ教のカレンダーや過越(すぎこし)の祭に基づいています。西と同じく満月の後ですが、イエス・キリストの死去に関して、イースターは過越の祭の後になります。この理由は、イエス・キリストが過越の祭を祝うためにエルサレムに入って、その後、殺されたからです。今年の過越の祭が422日から30日までなので、イースターは55日になります。西のキリスト教も東のキリスト教(正教会)も4月にイースターが行われることが多いのですが、今年は珍しく、西のキリスト教のイースターは早く、正教会のイースターが遅くなっています。同じ日付になる可能性もあります。例えば、2025年は、両方のイースターは420日になります!

 

イースター期間は金曜日から月曜日ですが、イギリスでは土曜日だけは祝日ではありません。金曜日は聖金曜日です。イギリスで3つの一番大切な祝日とは、クリスマスデーやクリスマスの翌日、ボクシングデー、イースターの日曜日です。本格的なイースターばかりか、イースターの前にもイースターに関する他の祭りもあります。本格的なイースター週末習慣を説明する前に、少し他のイースターに関する祭りについても紹介します。

 

主なものは祝日ではないパンケーキデーです。パンケーキデーは四旬節の前日です。四旬節は英語でレントです。四旬節の初日はイースターの40日前です。イースターと同じように四旬節やパンケーキデーも毎年日付が変わります。今年のパンケーキデーは2月13日でした。パンケーキデーが毎回火曜日、四旬節の初日、つまり灰の水曜日は、明らかに毎回水曜日になります。もちろん、パンケーキデーにはパンケーキを食べる習慣があります!その理由は四旬節の間に断食の伝統があることです。伝統的に、その断食期間に全ての畜産副産物を食べることが禁止されました。そこで、断食を始める前に、腐らないように畜産副産物を食べなければなりませんでした。パンケーキには牛乳や卵が入っているので、使いきるのにパンケーキはいいチョイスでした。イギリスのパンケーキは、日本やアメリカのパンケーキと違い、そんなに厚くなく、ふわふわではないです。クレープみたいに薄くて、トッピングはレモンや砂糖です。でも最近、アメリカスタイルのパンケーキを食べる人が増えてきました。キリスト教ではない人もパンケーキデーにパンケーキを食べています。現在、四旬節に断食をしている人はキリスト教信者ですが、ダイエットをしている人もいるはずです。例えば、肉を控えることはもちろん、チョコ、飴を控える人もいます。現在の断食は、以前と比べてキリスト教信者の間でもそんなに厳しくない気がします。断食をしないクリスチャンもいます。

 

本格的なイースター日曜日に、伝統的に断食を終える方法は、卵を食べることでした。理由は四旬節の間にも雌鶏は卵を生んで、卵が溜まりました。イギリスでは、イースターに本当の卵を食べる習慣があまりありませんが、チョコエッグを食べる習慣があります!子どもは家族からチョコエッグをもらって、チョコエッグの宝探し(エッグハント)をするのも習慣です。イースターの前に、スーパーでチョコエッグが多く売られています。大人もチョコエッグを食べられますが、子どもは多くの親戚からもらいます。イギリスの学校の春休みはイースターに基づいていますので、2週間です。欧米の学年は4月からではなくて9月からなので、春休みの主な理由はイースターになります。クリスマスの冬休みと同じです。

 

チョコエッグ以外の他のイースター料理について紹介します。とても人気なイギリス料理はローストディナー、つまりサンデーローストです。サンデーの意味は日曜日ですね。入っているものはジャガイモ、野菜、肉やグレービーです。普段の日曜日にも食べる家族は多いですが、クリスマス、イースターといった祭りの間は、特別の肉や材料が使われます。イースターに使われる肉は子羊です。北海道と東北にあるジンギスカン以外、日本ではあまり食べられていない肉ですね。イギリスの伝統は、子羊肉の料理にミントソースも入れることです。イギリスの季節に関して言えば、イギリスで子羊が生まれるのは早春なので、イースターの時期と同じですね。

 

また、ホットクロスバンというパンやシムネルケーキも伝統的な料理です。ホットクロスバンは、チョコエッグのようにイースターの前にスーパーでよく見られます。入っているものはドライフルーツや香辛料で、バターと食べることが普通です。象徴的なのは十字架のような切り込みが付いていることですね。イエス・キリストは十字架で殺されたので、死去の象徴として使われています。シムネルケーキについて、実は私は食べたことがないです!スーパーでも見たことがあるかどうか記憶がなく、現在どのように食べているか考えています。私の家族は伝統的にイースターを祝ってないので、食べていないですが、他の家族は食べているかもしれません。ホットクロスバンと同じように、ドライフルーツや香辛料が入っていて、マジパンの飾りがあります。マジパンは砂糖やアーモンドを挽いて練りあわせたもので、イギリスのみならず、多くのヨーロッパの国で食べられています。

 

先ほども言いましたが、イースターはクリスマスほど人気がありません。クリスマスを伝統的に祝うイギリス人のほうが多いはずです。例えば、キリスト教信者でない私の家族は、クリスマスにはクリスマスディナーを食べていますが、イースターにそういうことはしていません。子どものころ、チョコエッグ宝探し(エッグハント)をしましたが、最近はゆっくり休んで、お花見をしています。エッグハントは一番一般的なイベントだと思います。伝統的な活動に関して、経験はありませんが、モリスダンス・モリス踊りがあります。伝統行事ですが、最近はだんだんやらなくなっています。男性が白い服を着て、鈴の付いた靴を履いて踊ります。最近では女性も踊れます。イースター祭りをやっている村ではモリスダンスが見られるだろうと思います。こうした行事が減りつつあるので、守らなければなりませんね。

 

イースターは春の象徴なので、新生活や自然のイメージも多いです。子羊については話しましたが、うさぎやひよこのイメージも強いです。ひよこは卵と繋がっていて、うさぎはイースターバニーに関連しています。英語でバニーはうさぎです。イースターバニーの元は不明ですが、チョコエッグだけでなく、チョコバニーも見られます。イギリス人の子どもは、イースターバニーがチョコエッグを届けると信じています。うさぎが卵を届けるのはちょっと変ではないでしょうか?なので、そういう話を信じられない子供もいると思いますね。イギリスにも桜が咲いていますが、鮮やかな水仙、クロッカス、チューリップといった花が春の象徴です。

 

日本では、あまりイースターをお祝いしませんが、3月と4月に祝日がありますので、イースターの間にイギリス人と同じように、ゆっくり休んでください!日本とイギリスで咲いている花は異なりますが、両国には花見を楽しむ共通の習慣がありますね。今年も春が来たら、花見を楽しみましょう。

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写真の出典:左上から右下まで

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